減圧弁・背圧弁・バルブ・継手:流体機器の専門商社TESCOM社・HOKE社日本総代理店 UE/Precision Sensors社・mott社代理店

株式会社テクメイション

減圧弁の動作原理

減圧弁とは

減圧弁は高圧ガス容器(ボンベ)や配管に取り付けられて使用されます。これらから供給される各種ガスは、使用する圧力に比べ非常に高い圧力であったり、また変動する圧力源であったりします。

ガスを安全に安定して供給する為には、減圧すると同時に二次側の圧力変動を最小にしなければなりません。このような目的に用いられるのが減圧弁です。

風船にヘリウムガスを詰める装置やスキューバダイビングの空気タンクなど、身の回りにも多く使われています。

減圧弁の構造

下図に手動式減圧弁の構造図と各部名称を示します。

減圧弁構造図

左側の概略図と右側のTESCOM社製減圧弁44-2200シリーズの各部品が対応していることを確認してください。

減圧弁の動作原理

減圧弁構造図

減圧弁の動作原理を簡単に述べると、左図の通りダイアフラムを境として調整スプリングの力と二次圧力の力、この上下の力のつりあいで圧力を調整しています。つまり、調整ねじを押し込んで調整スプリングに力を加えると、その力に見合った二次圧力が設定されます。

バランス式構造図

簡単に説明する為に、上の説明では調整スプリングと二次圧力のバランスとしましたが、実際には小スプリングや一次圧の力も影響してきます。 ダイアフラムを介したつりあいを式で表すと、

バランス式

となります。これをバランス式と呼んでいます。

F:調整スプリングの力
f:小スプリングの力
S:ダイアフラムの面積
s:ノズルの面積
P1一次側圧力
P2二次側圧力

動作内容の詳細

閉止状態

閉止状態

調整ねじをフリーにした状態です。調整スプリング(①)の力がゼロのため、ダイアフラム(④)には何の力もかかっていません。

ステム(⑧)は小スプリング(⑨)の力で上方のシート(⑦)に押し付けられ、一次室(⑩)の流体は二次室(⑤)に流入することなく、P2はゼロに保たれています。

調整ねじを押し込む

調整ねじを押し込む

調整ねじを押し込んむとダイアフラムが押され、コネクタ(⑥)を介してステムがシートから離れます。

二次側にガスが流入

二次側にガスが流入

一次室のガスがステムとシートの隙間から二次室に流入します。これによって二次側の圧力が上昇していきます。

安定状態

安定状態

二次室のガスの圧力でダイアフラムが押し上げられ、ステムとシートの隙間が減少、それと共に二次室への流入が減少し、上下のバランスが取れ、圧力が安定します。