自立式減圧弁の元圧変動特性について
元圧変動特性とは
減圧弁は二次側の圧力を一定に保つ機能を持っていますが、どんな条件でも一定になるというわけではありません。例えば、一次側に接続しているボンベ圧が減少して、一次圧が下がった場合、二次圧が上昇してしまいます。感覚的には一次側圧力が低くなると二次側の圧力も低くなるように思えますが、実際には逆の現象が起こります。
この現象を「元圧変動特性」とよび、自立式の減圧弁では避けられない現象です。
これは下記の減圧弁バランス式からも導くことができます。
式を変形して
- (例)
- 一次側5MPaのとき二次側を1MPaに調圧したが、その後、一次側のボンベ圧が5MPaから4MPaに減少した場合(F=10.5MPa、S=10cm2、s=0.1cm2、f=0.1Mpaと仮定する)。
- 【P1=5MPa時】
- P2=10.5-(5×0.1)-0.1/10-0.1 = 1.0MPa
- 【P1=4MPa時】
- P2=10.5-(4×0.1)-0.1/10-0.1 = 1.01MPa
このように一次側が1MPa下がると二次側が0.01MPa上がってしまいました。
TESCOM社製減圧弁の元圧変動特性は一次側変動値の1~2%程度です。
元圧変動を軽減するには
減圧弁を2台使用すれば、2段目の一次側の変動が押さえられますので、1台あたりの元圧変動特性を2%とすると、全体として2%×2%の0.04%に抑えることができます。1台で上記の機能を持った二段式減圧弁というモデルもご用意しています。
- 二段式減圧弁 44-3400シリーズ(一般産業用)
- 二段式減圧弁 64-3400シリーズ(高純度用)
また、圧力センサーとPIDコントローラーER5000を使用したフィードバック制御も有用です。
詳しくは、弊社担当営業にお問い合わせください。
参考: JIS-B6803 溶断器用圧力調整器から